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キャラクター紹介 イメージAA / . . / .. . . . . / . / . .. . . \ . ヽ ヽ. / / . . ./ . \. . / . .{ l . . . . .. 、 . . . ヽ . }l . . . l l / . . / . . . . . . . X . . . ./l . .| . / . . 丶 . . . \. ヽ . . l . . l| . . . | | ハ . l . . . . . . . . | l \/ ! . .! . .! .ヽ . \ . ..} ヽ. ._ ヽ-‐| . . l| . . . ! | l l . . | . . . . . . . / l . .. l\|. . | . .l . .! .. . l. . . l イl . . | . . .| . . l| . . . l V l .! . | .i . . . . . . l ル≧ァz\l . . ', . . .jヽ. l∠j≦ .!. . ∧ . l . / ! . . . . ヽ ヒロインヒロイン /ヽ{ . .l .l . . . . . . . j彳 〃´¨ヾ\. . .ハ . . / ァ匕 j/ `ヾ`ミ<! .,' . . . lヽ . . . .. \ ヒロいーン! / . . .\i小 . . . . .l . l ヽ |l\__ /i`ヽ{ ヽ .. . 7´ |l \__ / i /ハ ./ . . . ,' . . \ . . . ... / . . . . . . . .\ l\ . .∨ 弋{ j.l j. / 代{ j ,' / j . . / . . . . . \ . .../ . . . . . . . . . . . . l `ヾハ vヘ三イソ '´ vヘ三イ/ / . . .∧ . . . . . . . \/ . . . . . . . . ./∨l . . . . ', '´ ``′ / . . ./ ヽ . . . . . . . . . . . . . . . . / l l . ヽ∧ ' ___ / . . . .l Y^ヽ . . . . . . . . . / i } . . ヽヘ ,,ィ´___ /`ヽ ,イ . . / . | / \ヽ . . . { ∨ . . .ヽ .\ 〃 } //. . ./ . . . l / ヾ . .} / . . . i . .ヽ>.、 ゞ _ノ イ . . . ,' . . . . .| } . j / . . . i . . . .} ヽ>`、 ー―‐ '´ィ< 〃 . . . ! . . . . . ! ./ . / ヽ / . . . . . l . . ./ \ \ ̄ / /{ . . . l . . . . . .ヽ ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール LV1 称号:ゼロ 【Louise the Zero】 種族:ヒューマン ♀ 歳:16歳 身長 153cm 体重:?? スリーサイズはB76/W53/H75 ジョブ:メイジ サポジョブ:? 本作【!!ヒロイン!!】 時空と次元の交差により本来の使い魔ではなく、ブロントさんを召喚した張本人。 ブロントさんへの適応能力は高い。使える魔法は【爆発】のみだが、本編では色々と活躍している? アイデンティティとも言えるツンデレ要素は薄め。 メイジとしての実力はドット以下のゼロ。使い魔ブロント。 好物:クックベリーパイ 趣味:編み物 特技:馬術、リアクション芸人 初期ステータス +... HP MP STR DEX VIT AGI INT MND CHR 短剣 片手剣 片手棍 両手棍 回避 受け流し コモン 火 水 風 土 虚無 F F F F G G E E D F F E E F F 0 0 0 0 0 E
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ジャック・バルバロッサ・バンコランは現実主義者だ。 仮にもイギリス情報局秘密情報部―――いわゆるMI6所属の人間ならそれは当然である。 いかなる悪条件・想定外の事態に遭遇しようが冷静に、速やかに対処出来なければ自らの死を招くだけなのだから。 心霊・悪魔・魔術・超能力など論外。 「ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」 などと言うファンタジーは妄想の産物でしかない。そんな暇があるなら美少n……ではなく任務をこなす方が彼にとっては重要なのだ。 ただ、その『現実主義者』もちーとばかし無理があるんじゃないか?と彼の周囲の人間は思っている。 その原因は彼の(文字通り遥かなる過去から遠い未来まで断ち切りたいにも関わらず断ち切れずにいる)腐れ縁の相手である、つぶれ饅頭の、へちゃむくれの、顔面殺虫剤な一国の国王にある。 その国王が若くして有能なのは誰もが認めるところだ。齢10歳でありながら大学を卒業し、いくつもの発明をし、ダイアモンドで税金の徴収が必要ないほど国庫を潤わせ、世界一とも言える治安の良さ―――窃盗で死刑とか言う無茶な法律がそれに輪をかけているんじゃないかと思わないでもないが―――を維持し、世界平和の危機には自分の命を賭ける勇敢さも見せるのだ。これで無能なら誰が有能だというのだろうか。 だがしかし、それでもなお、にもかかわらず、 夏休みの工作が核爆弾だったり、自国に大量の宇宙人移民が定住していたり、天使と魔王の軍勢の争いに巻き込まれたり、バチカンの国宝を盗んだり、タイムワープ能力があったり、便秘が解消された「反動」で宮殿が大人が溺れるくらい黄金色のブツで満たされたり、体のツボを押すと目玉や耳が数十cmほど伸びたり、電球を咥えると目から映像・耳から音声の出せる映写機になったり、ゴキブリを食べるとあらゆる電波を受信出来たり、一国を挙げて悪霊大戦争をしたり、脱皮したり、『遊星からの物体X』を逆に吸収したり、内臓が気紛れを起こして移動したり、下半身に逃げられたり、etc…… するとなるとその評価はマイナスどころか1080°ぐらい回転して虚数空間へ向かって11次元を目指して反物質に変異しても足りないくらい下方修正するのが当然じゃないか? というか捨てろ常識、さよなら普通の日々、物理法則もあったもんじゃない。つーかどう考えてもここまでいくと非現実と現実が逆転しているだろうに。 とまあ、そんな天外魔境・魑魅魍魎・空前絶後の化け物であるマリネラ国王パタリロ・ド・マリネール8世にとっての数少ない友人(バンコラン本人は殺してでも否定したい)の癖に、現実主義者なのである。 だからというか、 「あんた誰?」 と、いきなり見たことの無い風景、2つの月のある空、そして目の前のコスプレをした(様に見える)桃色の髪の少女を認識したバンコランは、 『またパタリロが何か悪さを仕掛けてきたな』 だが妙だな、パタリロにしてはやることがあまりにも幼稚過ぎる。いや、そう思わせて何か伏兵を仕掛けているのかもしれん。あるいは目の前の少女が実はタマネギ(マリネラのエージェント)かパタリロの変装だろうか。しかしそれにしては美的センスが云々……としか思わなかった。 「ちょっと、黙ってないで質問に答えなさいよ」 「人に名前を尋ねるのなら自分から名乗るのが筋だろう」 「あんた、平民の分際で貴族の命令に逆らう気!?」 「貴族だというのならそれに相応しい態度を示してから命令してもらおうか」 パタリロを相手にするなら平静を保つのが肝心だ、と身に染みて思い知っているが故に普段と変わらぬ調子で切り返すバンコラン。ルイズとしては彼の心情を知るわけがないし、そんな態度は腹に据えかねるものだったが、貴族としてのプライドが人一倍高い彼女にとって「貴族らしい態度を示せ」というのは無視できない要求だ。 「……私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 平民に言い返されたという屈辱を堪え、努めて冷静に名乗るルイズ。 一方、名乗られたバンコランは困惑―――ポーカーフェイスなので表情は変わらないが―――していた。いかにパタリロの変装もとい変態・擬態が文字通り変態じみたものとはいえ、目の前にいるのは(CIAの友人が涎を垂らして飛び付きそうな)本物の少女としか思えなかった。パタリロの親戚関係にヴァリエールなどという姓はなかったはずだし、マリネラ王国のエージェントに女性はいないからだ。 となると、パタリロがどこかの町を買収(絶対に金を払わないだろうから口約束)したか、洗脳(5円玉でエージェントすら洗脳した)したか、ホログラフ(実際に作って部下を騙して遊んでいた)なのだろうか。可能性から考えれば一番妥当なのは買収だろう。だとすればあまり辛辣に当たるのも不憫かというものだ。ここはパタリロの尻尾を掴むまでは相手に合わせるのがベスト……そうバンコランは判断した。 「名乗られたからには答えよう。私はジャック・バンコラン。階級は少佐だ」 「少佐?あんた貴族なの?」 「? 何を言ってるんだ、何故軍属だと貴族になる?」 それを聞いて今度は逆にルイズが困惑する。少佐ということは目の前の男は衛士?だが何故杖を持っていない?しかも貴族でないとはどういうことだ? 「あなた……まさか、ゲルマニアの人間?」 「ゲルマン?違う、私はドイツ人ではなくイギリス人だ」 自分達のやりとりを聞いて同じように困惑しているギャラリーの中にキュルケを見つけて思いついた質問にも予想外の答えが返ってきてルイズは更に混乱した。 げるまん?いぎりす?それにどいつって……私は出身を聞いただけで名前をもう一度尋ねたわけじゃないのに。 いや、問題はそうではなく。 「ミスタ・コルベール、もう一度召喚をやり直させてください!」 「それはできません。この儀式は―――」 「で、でも平民……かどうかは分かりませんけど、人間を使い魔なんて!」 「どうでもいいが用件は手短に済ませてもらえないかな」 「ほら、幸い彼も君の使い魔になることに異存はないようだし」 有りまくりである。バンコランは別に同意したわけではなく単純にパタリロの用意したシナリオを見極めたいと思っているだけなのだから。 はあ、と溜息をついてルイズはバンコランに向き直り、そのままでは届かないので「しゃがんで」と近寄らせる。 ……よく見たらかなりの美形ね。子爵様ほど若くは無さそうなのが残念だけど、それでも「ナイスミドル!」って感じだからこれはこれでもしかしたらラッキーだったのかも。 「か、感謝しなさいよね。貴族にこんな事されるなんて、普通は一生無いんだから!」 この契約、バンコランにとってはアンラッキー以外の何物でもなかった。 ……だってバンコラン菌のベクターなんだもの。
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「仕切るの?春日部さん」よりモロヤマ1号 仕切るの?ルイズさん1話「召喚したの?ルイズさん」 仕切るの?ルイズさん2話「普段通りの1日なの?ルイズさん」 仕切るの?ルイズさん3話「燃えすの?キュルケさん」 仕切るの?ルイズさん4話「仕事なの?ルイズさん」
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ハルケギニアの歴史は《始祖ブリミル》から始まり、その三人の御子と一人の弟子が王国を築いて、 現代に至ったと伝えられている。始祖ブリミルはまだ神話の霧に覆われているが、四王国の存在は確かである。 それらは六千年以上前、大陸の西方に起こり、現在も戦乱はあるが続いている。 豊富な記録……精巧な魔法技術の数々……そして何よりも、王国を支える貴族、メイジの存在が…… その強大な王国の権力を表している。 《第一章 ゼロのルイズは如何にして魔法学院で竜を召喚したか》 「始祖ブリミルよ、生ける神よ、貴方と同じく臣にかこまれ、奴婢をおき、杖を振って魔法を使わしめたまえ。 我ら子孫に幸いを与え、祟りなすことなく、王国の繁栄を給わりたまえ。 トリステイン魔法学院の生徒、ルイズが祈りまする。我に『使い魔』を授けたまえ………」 『使い魔』とは、メイジによって召喚される禽獣で、しばしば魔法によって捕らえられ、奴隷やペットにされていた。 この王立魔法学院では、二年生進級の神聖な儀式として、召喚を行うのだが…。 「まて! ちょっとまちなさい! ミス・ヴァリエール!」 桃色の髪の女子生徒、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの魔法失敗は、 ただ魔法が完成しないだけでなく、結構な破壊力の《爆発》を引き起こすのだ。 見かねた教師のコルベールが、彼女を止めた。 「……九十九、百、百一……やっぱり無理だよダメルイズ! もう百一回目のプロポーズだぜ!」 「数えてたのか、暇な奴だなあ」 「呼び出せないと、学院の規定通り、彼女は留年せねばなりません!」 「も、申しわけありません。もう一度だけ……」 「コモンマジックも満足に使えんのか! やっぱり《ゼロ》だ! ワハハハハハ」 もはやルイズは、息も絶え絶えだ。顔は煤と涙と汗でドロドロになった。 周囲の嘲笑が悔しすぎる。唇を血が出るほど噛み締める。 「仕方ないですな……座学は優秀ですし。特例で明日から三日間、補習として猶予を与えます。 それまでに使い魔が出なければ、ヴァリエール公爵家に連れ帰ってもらいなさい!」 絶え間ない上、狙いの定まらない爆発にビクビクしていた一同は、ホッと一息つく。 「ほらルイズ、帰ってゆっくり休んで。いいから、帰りましょう」 友人のキュルケの情けが、なけなしのプライドを引き裂く。もう言葉も出なかった。 夢の中、闇の中。ルイズは、青銅色の恐ろしい顔を持つ悪魔たちに追い回されていた。 人間の心を貪るような異常な造型と、魂をひねり潰すような嘲笑。口からは牙をむき出し、意地悪い視線で蔑む。 (食い殺される! 私が召喚してしまったの? それとも私の絶望と恐怖の産物?) キュルケに、モンモランシーに、ギーシュに、コルベールに似たような、おぞましい顔、顔、顔、顔。 足を滑らせて倒れたルイズに、仮面をつけた半裸の男が顔のついた大斧を振りかぶって、差し出された頚をズンと刎ねる。 「いやっ……いや――――――――――っ!!」 「おはよう、ルイズ。だいぶ、魘されてたわね?」 いきなりキュルケの巨乳が目に入った。もう朝か。 勝手に《開錠》の魔法を使うのは校則違反だが、余程呻いていたのか。 「あ…はあ……夢を……悪魔たちが、私を食べようとして……」 「まあ、可哀想なルイズ! 夢の中でも気が休まらないなんて。でも大丈夫よ、私が応援してあげるから。 けど、運がいいわね。本当は留年だったのに、コルベール先生も人がいいんだから……」 「ツェルプストーに応援されても、あんまり嬉しくないの」 一方、学院長室。学院長オールド・オスマンが、コルベールに成績証明書を見せてもらっている。 「今学年の生徒の出来も、まあまあじゃな。外国人留学生に二人、優秀なのがいるようじゃが……」 「はい、二年生進級も無事終わりそうですが……約一名」 「ヴァリエールのゼロ娘か……ま、これでダメなら諦めもつくじゃろ」 二人は揃ってため息をつく。国一番の大貴族で優秀なメイジの娘が、なぜこうなのか。 「ともあれ、有為な若者を育てる事は、国家のためでもあります。 それは魔法に限りません。学芸、武勇、礼節、倫理、柔軟な発想なども、健全に育成せねば」 「そうじゃのう、近隣諸国との関係もこじれておるし……姫殿下があとを継がれても、これからが大変な時じゃ…… わがトリステインにも、アンリエッタ王女を補佐するすぐれた人物がいればのう…… いやいや、マザリーニ枢機卿はよくやっとるが、政治・軍事をはじめ、より天下のことに通じた知恵者が…… さすればわが国も……」 ドカアアアアンという爆発音が、せっかくシリアスになっていたオスマンのセリフを遮った。ルイズだ。 「ええい、またかね。期限はもう明後日じゃろ? いい加減にしてくれんかのう」 だが、丸二日経ってもルイズは使い魔を召喚できなかった。黄色い朝日が昇る。 「(フラ…)使い魔を……今日中に使い魔を呼び出せないと……人生終了ね……」 ルイズは《ヴェストリの広場》に向かっていった。すぐ爆発音が響き始める。 そこへ、朝食に向かう前のギーシュたちが、音を聞きつけて通りかかる。 「見たまえ皆、あそこにルイズがいるよ。自分の爆発で倒れている。ああ、杖も手落として……」 「そういや、今日中に召喚できないと留年ね。退学かも」 「はああ、可哀想。玩具にするには最適の可愛い娘なのに」 「あんた、そっちだったのキュルケ……」 モンモランシーがスザッと引く。大体フェロモン過多なのだ、この成金ゲルマニア女は。 「まてまて、僕に面白い考えがある」 ギーシュが意地悪く笑うと、モグラの使い魔ヴェルダンデに命じて土を掘らせ、 ルイズの傍まで行かせてから戻って来させる。咥えているのは、ルイズの杖。 「ちょっとギーシュ、今何したの?」 「《錬金》で作った青銅製の偽物の杖と、密かに取り替えておいてやったのさ。 どうせ魔法なんか使えないんだ、杖が偽物なら爆発も起きないし、かえって安全だろう?」 イジメ、かっこ悪い。二人はしらけ切ってそっぽを向く。 「貴族の誇りに何するのよ、馬鹿。付き合ってらんない、行きましょモンモランシー!」 「そうね、頑張ってる女の子に意地悪なんて、人として軸がぶれているわ。ちゃんと返してあげなさいよ」 「ま、待ちたまえ君たち! ああ、ルイズがビックリする顔が見物なのに」 ギーシュは引っ込みがつかず、広場の入り口でうろうろしている。 やがてヨロヨロとルイズが立ち上がり、朦朧とした頭で意識を保つ。体が生命の危機を知らせている。 「もう三日三晩寝てないし、何も食べてない……。 使い魔が来てくれればいいけれど、もし来なければ……このまま……」 悲壮な覚悟で、青銅の偽杖を振り上げる。だがもう、精神力も底を尽いた。しゃがみこんでしまい、動けない。 「ご先祖さま……始祖ブリミルさま……どうかルイズに、使い魔を一体、お与えください…… ああ、気が遠くなってきたなあ……もし神さまがいるのなら……使い魔を………」 「ゼロのルイズ、どうですか?」 ハッ、とルイズが振り向く。声は聞いたことがあるような、ないような。 傍に立っていたのは、六十歳過ぎぐらいの小柄な老貴婦人。杖を持ちマントを羽織って、ルイズを見下ろしている。 学院の先生か、非常勤講師だろうか。そう考えるのが一番自然だった。 「あ……貴女は? なぜ私の名を…?」 「ほら、何かいるわよ」 地面に銀色の鏡が現れ、それが水面のように波立って、ザバッと猿のような獣が現れる。その顔は人間の老人にそっくりだ。 「きゃあ!!」 バシャンとしぶきを上げ、怪物は鏡面に沈む。尻尾がちらりと見えた。 「ふっふっふ、せっかくの獲物を逃してしまったわねえ」 「い…今のは…?」 「気にすることはないの。だいいち、その杖では使い魔は呼べないわ。貴女自身の杖でなければ……」 よくよく手元の杖を見れば、私の杖ではない。誰が取り替えたのだろうか、イジメかっこ悪い。 「心配しないで。私がもっといい場所を教えてあげる。その杖を持ってついておいで」 「あ…あの……? 貴女はこの学院の先生、ですか?」 「いいえ、もっと凄いものよ」 スタスタと先を歩く、余裕綽々たる老貴婦人に、ルイズはピンと閃く。 「貴女はもしや……私の呼び出した使い魔では……?」 「ばかをいわないで、私を使い魔などといっしょにするなんて。 さっき貴女が呼び出しそこなったのは、水中に棲む猿に似た精怪。大したものではないわ」 ズンズン進む彼女に、ルイズは遅れないように着いていく。足も立たないはずだったが。 いつしか二人は学院を離れ、深い山奥へと迷い込む。 「近くにこんな所あったかしら……? いつ霧が……? それに、さっきまでは動くのもおっくうだったのに、今はやけに体が軽い……」 急にガラッと足元の地面が崩れる。あわてて下を見ると、なんと切り立った崖の上だ。 しかも眼前には、洋々たる大海が広がっている。 「こ…これは…? いつの間にこんな所に………」 「ここは《東方》の海の果て」 いつの間にか、老貴婦人は再びルイズの背後にいる。その髪は赤金色に輝き、顔はまるで磨いた銅のようだ。 「と…《東方》…!? しかし、そんな……も…もしや貴女さまは、始祖ブリミルさまですか!?」 「おっと、それは違うわ。まあいいから、そこから使い魔を呼んでみて。貴女は使い魔が欲しいのでしょう」 「で、でもこの杖は……」 「いいからとにかく、私のいう通りやってごらんなさい」 千載一遇のチャンスだ。高貴で強力なメイジが、私の手助けをして下さるとは。 藁をも掴む思いで、ルイズは前向きに気持ちを切り替え、杖を構えた。 「気を抜いてはダメよ。たとえ偽物の杖でも、全身全霊をこめて集中すれば、竜でも召喚することができるのよ!」 「りゅ…竜でも!?」 「そうよ、杖の先、舌の先に全身の魔力を集めるの。 技術も力もいりはしない、ただ召喚をするという、ただそれだけのことを…… 純粋に……強く……念をこらすの」 言われるまま、ルイズは残った魔力を集中する。老貴婦人の鳶色の瞳は、なぜか四角い。 「貴女は、私が始祖ブリミルではないか、と言ったわね? そうじゃない、でも私は、時によってはそれ以上のもの。 私は、貴女の純粋に《生きたい》という気持ち、使い魔を求める心に応じて現れた。 一点の濁りのない、純粋な心で私を求めるなら、私は時には天をも動かす。 けれど、少しでも心に濁りがあるなら、どれほど高位高官の者であろうとも、 始祖ブリミルであろうとも、私にまみえることすらできない」 大海がドオオオオオと大波を立て、崖が震える。しかしルイズの精神は、小揺るぎもしない。 「純粋に……心を純粋にするのよ。一切の邪心も恐れも疑いもすべて捨てて、この大自然の中に身を投ずるの。 どう、海の中が見えてきたでしょう? 杖の先に宇宙を感じるでしょう! さあ、呼んでみて、竜を!」 きた。 逆巻く海面が銀色に光り輝き、その中から巨大な、ワニのような頭部が姿を顕す。 頭には枝分かれした二本の角が、頚には鬣が、牙の並ぶ大きな口の周りには髯が生え、 鼻先に二本の長い鬚がある。眉毛の濃い突き出た眉間の下には爛々と輝く眼があり、 体は蛇のように長く、大きな青金色の鱗に覆われていて、力強い四肢には五本の爪があった。 全長は、何百メイルにも及ぶだろう。まさに竜(ドラゴン)。その神々しい姿に、ルイズは見惚れる。 「そうよ! よく竜を呼んだわ! もし貴女がこの気持ちを忘れず、もう一度私と会うことができるなら、 いずれもっと大きな竜を呼ぶことができるでしょう!」 老貴婦人が嬉しそうに叫び、ルイズの周囲が光に包まれた。 その日の夕方、《ヴェストリの広場》の入り口に、今朝の三人が集まっている。 「なんですって、あのルイズ、まだやってるの?」 「ああ、もう夕方になるっていうのに、あの時のままずーっと杖をかまえて、使い魔を待っているんだ」 「あれから何時間経つと思っているの? 貴方が授業にもこないから、ルイズと浮気しているんじゃないかと思って、 わざわざ様子を見にきたのよ。感謝しなさい!」 モンモランシーが頬を染めてツンデレする。しかし、その間の皆のスルーっぷりが悲しすぎるではないか。 キュルケも肩をすくめ、ため息をついた。 「流石に、杖が偽物なのに気づいたんじゃない?」 「気づいてないよ。呪文をブツブツ唱えながら、気絶したみたいに硬直しているんだもの。 僕はずっと見ていたから知っている。可哀想な娘だね」 「「可哀想なのはあんたよ」」 ハモッてジト眼で二人が睨む。なんという馬鹿だ。 「あ…杖を振るわよ!?」 モンモランシーが動きに気づき、二人もルイズを注目する。 ぼんやりと地面が銀色に光り、鏡となった。三人は予想外の展開に、身を乗り出す。 「何か出てくる!?」「まさか!」「ああっ!!」 鏡面が水のように波立ち、杖を振り上げたルイズの手元に、一抱えもある大きな《鯉》が召喚された。 三人はあっと驚く。とうとうあのルイズが、《使い魔》を召喚したのだ。しかも、自分の杖ではない偽物の杖で。 使い魔が魚ということは、彼女の系統は《水》なのだろうか? 倒れこむルイズをキュルケが駆け寄って支え、ギーシュが大きな金ダライを作り、モンモランシーが水を張る。 《鯉》は青金色の鱗を煌かせ、悠々とタライの中を泳ぎ出した。 このルイズ、魔法成功率の低さから、皆に《ゼロのルイズ》と呼ばれた少女こそ、後の《虚無のルイズ》である。 ルイズは四十五年後、このトリステイン魔法学院で、再び竜を召喚するのである。 (つづく)
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あいつらがやって来たの段 ルイズは自分が召喚したものが何であるか分かった。しかし、いくら才能がない自分でもしかも・・・・・・。 悲しいことであるがルイズは自分があまり、いやほとんど魔法を使えない事をよく自覚していた。 自分が魔法を失敗するたびに周りから笑われていた。使い魔の召喚も成功するはずがないだろうと半ば諦めていた。 でも、もし、万が一成功することが出来たら。サモン・サーヴァントで周りがあっと驚くようなヤツを召喚出来たら。 ルイズはそんな淡い期待を込めて臨んだ。 呪文を紡ぎ、杖を振る。すると、目の前の空間に召喚のゲートが開かれた。 やった、これであたしにも使い魔が・・・・、何がくるのかしら・・・・そこまで考えたときそれは現れた ルイズは嬉しかった。ゲートが開いた瞬間に使い魔が来てくれたのだから。 その幸せは使い魔が何であるかを認識すると落胆に変わったのだが。 ルイズの前に現れたのは人間であった。おまけに、3人。人間を呼んでしまった事を悟ったルイズは激しく動揺していた。 さらに、呼び出された使い魔の方も慌てふためいていた。なんとなく、間抜けな風貌である。よく見ると年下のようだ。 ルイズ「あんた達何なの」 3人はしばらく間を置いてこう答えた。 「乱太郎」 「きり丸」 「しんべえ」 名前までも抜けててるなぁとルイズは思った。
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「宇宙の!」 ドッカーーン! 「何処かにいる!」 ドッカーーン! 「清くて!」 ドッカーーン! 「美しい!」 ドッカーーン! 「史上最強の!」 ドッカーーン 春の使い魔召還の儀式。 そこでルイズは何度も何度も失敗して爆発を巻き起こしていた。 「おいおい、どれだけ爆発を起こせば気が済むんだよ。」 「所詮、ゼロはゼロなんだから、いい加減に諦めろよ。」 キッ! 完全にルイズを見下したヤジに殺気を込めた視線を送る。 監督係の教師、コルベールは発言をした生徒の評価を下げる事を心の中で決めてる。 そしてすまなそうにルイズに話しかける。 「ミス・ヴァリエール。他の生徒の召還が残っていますので…」 「わかっています!でも…。いいえ、私は向こうでやっていますから、お願いします!」 ルイズのまさに『必死』と言って良い表情にコルベールも言葉が詰まる。 彼は知っている。ルイズの座学は非常に優秀である事を。 魔法理論において誰よりも努力をしている事を。 そして本来、魔法に失敗しても何も起こらない事を。 「わかりました。あなたが努力家である事は知ってますからね。」 「あ、有難う御座います!」 ルイズは盛大にコルベールへ頭を下げた後、向こうへ走って行った。 既に他の生徒全員が召還を終えていたが、ルイズだけは爆発を起こし続けていた。 当初は鬼気迫る表情で魔法を失敗し続けるルイズに思う所があったのか他の生徒もヤジを飛ばさず見ていた。 しかし、時間が経つ内に厭きだしてコルベールに部屋に戻って良いかどうか聞き出していた。 コルベールは当初、渋い顔をしたが、ルイズがいつまで経っても成功しそうに無い事から、認めるしか無いのであった。 一人、一人、この場から生徒がいなくなる事は気配でわかったが、それでもルイズは召還魔法を唱えては爆発を起こし続けていた。 日も暮れだした頃、その場に残っていたのはコルベール、キュルケ、タバサの三人だけであった。 ルイズの姿は酷いものであった。服はボロボロ、顔は埃まみれ、腕からはところどころ血を流している。 満身創痍としか言いようが無かった。 「どうして、どうしてなのよ!!」 悲痛な叫びと共に杖を振るう。 ドッカーーン! 巻き起こるは非情にも爆発。 「はは、ははははは」 ルイズは笑った。しかしその笑みは虚ろで、何の感情もこもっていなかった。 そしてルイズは何処か晴れ晴れしてた表情でコルベールに頭を下げて言った。 「コルベール先生、有り難う御座います。もう、いいです。」 「…そうかね、ご苦労だった。ミス・ヴァリエール。部屋で休みたまえ。」 「はいっ!」 言ってルイズは走り出した。両目いっぱいの涙を浮かべながら。 「ちょっと、ルイ…」 キュルケの言葉はコルベールによってさえぎられた。 タバサはそんな二人を興味深そうに見ている。 「先生…。」 「ミス・ツェルプストー、ミス・ヴァリエールの事を思うなら今は一人にしてあげましょう。」 真剣なコルベールの表情に軽く頬を染めて、うっとりしながらキュルケは頷く。 タバサはルイズを心配しながら,そんな友人に呆れていた。 ルイズが目を覚ますと真夜中であった。枕もシーツも涙で濡れている。 部屋に戻ってからずっと泣いた。 泣き疲れて眠ってしまい、夢の中でも泣いた。 くぅ~ どれだけ悲しくてもおなかは空く。 食堂は閉じているだろうが何かつまめる物は探せばあるかもしれない。 そう思い、ドアを開ける。 するとナプキンが掛けられ、中に何かが載せられているのがわかる大きめの皿とワインとグラスが置いたトレイがあった。 ナプキンを取ると冷めても食べられるサンドイッチが置いてあった。 誰かが…、キュルケあたりだろう…がメイドに頼んで置かせたのだろう。 トレイを持って部屋に戻り、ワインをグラスについでからもそもそとサンドイッチを食べ始める。 するとルイズの瞳にまた涙が溢れる。 感謝か情けなさか自分でもわからない。 ワインをかなり飲んだがまるで酔いがまわって来ない。 しばし呆然としながら,ルイズは窓から空を見上げる。 今も双月が静かに輝いている。 「この場所から見える月も、これが最後か…」 召還の儀式は進級の試験を兼ねているのだ。 それに失敗したとなれば名家の恥として実家に呼び戻され、一生閉じ込められる事になるだろう。 悔しい! ギュッと杖を握る。無駄だと分かっていながらも口語の呪文が口から零れる。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。我が“運命”に従いし、“使い魔”を召還せよ。」 ゲートが、生まれた。 そりゃあもうあっさりと。 もともとゲートは開けますが何か?と言わんばかりである。 ルイズは呆然となる。 それはそうだ。今日何十回…いや、何百回と言える程唱えては失敗した魔法が成功したのだ。 驚かない方がどうかしている。 ゴクッ… ルイズは思わず息をのむ。 今このゲートの向こう側に自分の属性にあった動物か幻獣がいる筈である。 「な、なにが出てくるのかしら…。」 バサッバサッ ルイズの言葉に応えるように大きな羽の羽ばたきが聞こえてくる。 音の出どころは…ゲートだ。 そして、ゲートから現れたそれは高らかに笑いながら名乗った。 「ふはははは!」 「ふはははは!」 「私は!私は!」 「夜の帝王!!」 現れたそれを一言で言うならば…『かばこうもり』であった。 かばのように巨大な顔、それに対して体は余りに矮小であった。 いや、こうもりの体に比べればずっと大きいが、巨大な顔に対し不釣り合いな大きさであった。 ルイズは混乱の極みにあった。 召還に成功した事実による驚愕。 目の前にいる存在を今まで見た事が無い事。 それがなんと喋った事。 人間の言語を喋る動物は『韻獣』と呼ばれ、希少な存在として知られている。 更に言うなら目の前にいるかばこうもりは自分自身を『帝王』と言ったのだ。 そこまで自分を大きく言うには自信が無いと出来ない。 だが、そんな事よりも、ルイズは、深刻で、どうしても、聞かねばならない事があった。 「ねえ、あんた。自分の事を『夜の帝王』って名乗ったわよね。」 帝王は帝王らしく尊大に答えた。 「うむ。そのとおりだ。」 「ちなみに昼間は?」 やはり帝王は帝王らしく(以下省略)。 「寝てます。」 ツュドム!! 後日、ヴァリエール家に二通の手紙が届いた。 一通はルイズから二年生へ進級の知らせ。 もう一通は、トリステイン魔法学校からルイズによる女子寮半壊に対する請求書であったそうな。
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注)本SSは『HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました』スレに掲載された作品です。 「HELLSING」のヤン・バレンタインを召喚 ルイズとヤンの人情紙吹雪-01 ルイズとヤンの人情紙吹雪-02 ルイズとヤンの人情紙吹雪-03 ルイズとヤンの人情紙吹雪-04 ルイズとヤンの人情紙吹雪-05 ルイズとヤンの人情紙吹雪-06 ルイズとヤンの人情紙吹雪-07 ルイズとヤンの人情紙吹雪-08 ルイズとヤンの人情紙吹雪-09 ルイズとヤンの人情紙吹雪-10
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強烈な閃光。それが私が見た最後の光景だった。 この日、ハルケギニアの地図上からトリステイン魔法学院は文字どうり消滅した。 ゼロの大統領ー完 「ってそんなのあるかー!」 と、ベッドから飛び起きそのまま転がり落ちるルイズ。 「きゃんッッいたた・・・あれ?」 辺りをキョロキョロ見回すルイズ。 「やっぱり夢?そうよね!夢よね!夢かーって何の夢だっけ?まあいいわ それより明日は大事な使い魔召喚の日だから早く寝なくっちゃ!」 そう言って再びベッドに潜り込みすやすやと寝息を立て始めるルイズ。 だが彼女は、夢は夢でも正夢だったと分かるのはそれから数時間後の事だった。 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 何度も失敗し周囲の黒煙が風に流された後、そこに居たのは一体のゴーレムだった。 「ゼロのルイズがゴーレムを召喚しただと!」 「あのルイズが?」 周りの驚く声など聞こえず、ルイズは自分が召喚したゴーレムをじっと見る。 「あれ?これって・・・・・」 彼女の脳裏に忘れたはずの夢の記憶が映し出される。 『オゥケェェイ、レッッツパァリィィィー!!!』 「ヒッ!」 夢の記憶を思い出したルイズは小さく悲鳴を上げるが、彼女の夢とは違いゴーレムは指一本動かさなかった。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」 その後、コルベールの指示に従い嫌々ながら契約を済ませるルイズだが 「いったーって何で私にルーンが浮かび上がるのよ!」 彼女の左手には使い魔のルーンが浮かび上がっていた。 それを見ていた周りは一部を除いて大爆笑。ルイズとゴーレムを残し皆学院へ帰っていったあと、ルイズは泣いた。 始めはゴーレムに八つ当たりし、喚き散らし、最後にはシクシクと泣いた。 どの位そうしていたか、ルイズはヨロヨロと立ち上がりゴーレムに手を着いた時、彼女は理解した。 今までの彼女なら決して理解できなかった、しなかったであろうことも。 ガンダールヴのルーンの力でこのゴーレム“メタルウルフ”の持ち主の熱き“大統領魂”を。 平和だったハルケギニアの地に戦乱の嵐が吹き荒れる。だが、我々には最後の希望が残されている。 熱き大統領魂を受け継ぐ“メタルウルフ”の使い手。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだ。 これから派手なパーティーが始まるんですね。私もこんな派手なパーティーは初めてです・・・・・ミス・ヴァリエール? 平民の名誉を守るため決闘を受けるルイズ。 「平民を守るのは大統ryげふんげふん・・・貴族の勤めよ」 ヴェストリの広場にギーシュと“メタルウルフ”を着けたルイズが対峙する。 「いけ!ワルキューレ」 『淑女なのは17時までよ!』 ギーシュはワルキューレを一体造りルイズに向かわせるのに対し、ルイズは黒い筒をワルキューレに構える。 『オーケー!レッツパーティー!』 ドカン! 『ビンゴー!』 一撃で破壊されるワルキューレ。その威力に驚くギーシュだが 「それは銃か?威力は凄いがそれで終わりだろう!」 そう言って六体のワルキューレを造りルイズを攻撃するギーシュ。だが、それに対してルイズは 『大歓迎ね、お返しに穴あきチーズにしてやるわ!」 ドガガガガガガガ!!! 武器を持ち替えたルイズが発砲。ワルキューレは粉々になり、穴あきチーズになったのは学院の一部と宝物庫だった。 その様子を遠くから見ていたメイドは、ぽつりと呟いた。 「前々からこんなに壮観なトリステイン魔法学院を壊したら、どんなに綺麗かと気になっていたんですよね」 宝物庫損壊の隙をつき、破壊の杖を盗み出す土くれのフーケ。 それを追うルイズたち、破壊の杖を取り戻すもその直後襲い掛かる巨大ゴーレム。 巨大ゴーレムの攻撃に対し、それを正面から受け止めるルイズ。 『見なさい!これがヴァリエール魂よ!』 そう言って巨大ゴーレムをぶんぶん振り回しぶん投げるルイズ。 ありえない光景にあんぐりと口を開けるキュルケとタバサとシルフィードとフーケ。 「私を捕まえないのかい?」 『私たちが受けたのは破壊の杖を取り戻すことよ。それにあんたは根っから の悪人には見えないし』 破壊の杖を取り戻して数日後、アンリエッタ姫殿下の密命を受け婚約者のワルド子爵、途中からキュルケ、タバサ、そして なぜかいるギーシュたちと共にアルビオンへ向かうルイズ。 だが、そこで待っていたのは婚約者の裏切りだった。 「んふはははははは。ルイーズ!」 「ワールドー!」 密命の為“メタルウルフ”の無いルイズは、ウェールズの命を懸けた行動により逃がされ、キュルケたちと合流し アルビオンを去ることしか出来なかった。 アレから数日後、不可侵条約を破り侵攻するアルビオンの艦隊。 『親愛なるトリステインの皆さん、私はレコン・キスタの一市民としてこのような状況は非常に残念です トリステインの女王にそそのかされた人々よ、思い出して欲しい“正義の心”を、ハルケギニアを思う心を 今投降すればまだ罪は軽いはずだ。貴方たちに“正義の心”が残っているならばその女を捨てて 17:00までに投降しなさい。これは最後通告です。合言葉は“ウィー・ラブ・クロムウェル”』 そのような言葉になど従わず攻撃を開始するが、圧倒的な火力の差によりほぼ壊滅状態のトリステイン艦隊。 「いくらあなたでもムチャよルイズ!」 『ムチャではないわ!なぜなら私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだからよ!』 「ちょっと、まちなさいルイズ!」 『キュルケ、ちょっとタルブまで行って来る』 戦火の火が迫るタルブの村では、シエスタがある決意をしていた。 「招待したわけでもないのにずうずうしいですね・・・・・お爺ちゃん、これ使わせてもらいます」 そう言って伝説の竜の骸、灰色の“メタルウルフ”に乗り込むシエスタ。 『ンフハハハハ!レッツパーリィー!』 アルビオンの艦隊旗艦レキシントン号に突撃するルイズ。 『ナイスランディング』 次々に現れ取り囲む敵兵に対して、ルイズは不敵につぶやく。 『ようこそ、トリステインへ。ハローボーイズ、そしてそのままおやすみボーイズよ』 ドガガガガガガガ!!! 待ち構えていたワルドと最後の戦いを繰り広げるルイズ。 アルビオンの艦隊はシエスタの“メタルウルフ”に落とされ、旗艦レキシントン号はルイズとワルドの戦闘により 落ちていくが、その際暴走した風石によりはるか高くへ飛ばされてしまう。 『これがハルケギニア・・・綺麗・・・』 「美しい・・・だがその下では醜い争いが起こっている、いまの我々のようにね さあ、これが最後の戦いだ!」 決着はルイズの勝利に終わる。風の魔法を使って息をするのがやっとの状態では、大気圏突入の摩擦熱までは防げなかった。 ワルドがこのまま燃え尽きるのかと覚悟した時、ルイズが救いの手を差し伸べる。 「ルイズ・・・・・なぜ」 『貴方がハルケギニアを思う気持ちは本物だった。けど、貴方は方法を間違ったのよ』 だが、ワルドはルイズの手を突き飛ばし、最後の力を振り絞り風をルイズの周りに張り巡らせる。 「さよならだ・・・・・僕の小さなルイズ」 『ワルドー!』 そのままルイズはハルケギニアの地に落ちてゆく。 『ルイズさん、ルイズさん、答えてくださいルイズさん!』 シエスタの応答にルイズが答えることは無かった。だが、ルイズを知る者は誰も彼女が死んだとは思わなかった。 あのルイズがこんなことで死ぬはずがないと。 「人間が!この包囲から抜けられると思うなよ!」 『ノープロブレム。熱々のローストチキンにしてやるわ!』 ゼロの大統領ルイズ変 メタルウルフルイズー完
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戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (3)錬金術の教示 「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ、今朝もささやかな糧を我に与えたもうたことに感謝します」 食堂での朝食が始まった。 ここは若い少年少女達がその旺盛な食欲を満たし、あるいは共同生活を送る仲間との連帯感を高める場である。 そんな若者達の中、初老の男が一人。 そう、ルイズ・ド・ヴァリエールの使い魔となったメイジ・ウルザである。 本来なら使い魔であるし執事という立場を取らせると決めたのであるから、食事はあとで別に取ってもらうのが筋なのだが、生憎とメイジと使い魔の関係初日のルイズがそのような手配を行っているわけが無かった。 しょうがないので、今日は同席ということになり、今ウルザはルイズの横に座っているのだ。 勿論、少年少女達の中にとあって、周囲からは距離をとられている、かなり。 ゼロのルイズが高位のメイジを召喚したということは、すでに学院中に知れ渡っており、同席した生徒は皆そのメイジがルイズの隣に座っている男だということに気付いていた。 (重い、重いわ…空気が重いわ…) 周りがウルザに身体的にも精神的に距離を取っている為なのだが、隣のルイズにはたまったものではない。 (何か…何か考えなくちゃ……っ!) その時、ルイズはふっと誰かの視線を感じた。 きょろきょろと周りを見回してみると、視線の主は直ぐに見つかった。 長身に、同世代とは思えない発育の良さ、燃えるように赤い髪。 そして、今はその頬も茹で上がったように紅潮している。加えて瞳も潤んでいる。 (ちょっ!ツェルプストー!あんたっ!何で私!そんな趣味はないわよっ!) 昨日から何度目か分からない悪寒を感じで体を震わせた。 しかし、注意深く、かつ相手に気付かれないように視線を追ってみると、微妙に自分が相手では無いことに気付いた。 そう、視線の先は………横にいる男に向けられていた。 キュルケの唇が何事か呟くのが見えた。 当然ながら、ルイズは読唇術も読心術も使えない。 しかし、この時ばかりはキュルケがなんと呟いたのかを明白に理解することが出来た。 ――素敵なおじさま… 食事が終わり、教室へ向かう最中のことである。 「ミス!ミス・ヴァリエール!ミスタ・ウルザ!」 「あ、おはようございます。ミスタ・コルベール」 「おはようございます。ミスタ・コルベール」 禿げ上がった頭の教師、コルベールに声をかけられたのである。 「すみませんが、ミスタ・ウルザの左手のルーン文字を見せて頂きたいのですが」 「私は別に構いませんが…ミスタ・ウルザも構わないかしら?」 「無論。私も異議はありません」 ウルザが左手を出すと、コルベールは素早くメモをとり始めた。 「いやはや、召喚の儀式の後、ずっとこのルーンのことを調べているんだよ」 「え?どうかしたんですか?」 「メイジを召喚したなんて前例が無いからね、おまけに君が召喚したというのも……まあ、兎にも角にも知的好奇心が刺激されてしまってね!」 「ふむふむ、成程。そういうことでしたら今晩ご一緒に分かったことについて報告し合うというのは如何ですかな?」 「おお!?既にご自身で解読がお進みでしたか!?流石ですなミスタ・ウルザ!しかし、こちらはまだ報告するほどには…」 「いやいや、ミスタコルベール、私は貴方の意見が……」 「おおっ!……でしたら……!」 「それは……たい……是非……」 「…っ!……!!」 ルイズは妙に盛り上がる二人を置いて教室に急ぐのであった。 「―――というわけで、皆さんご存知の通り、魔法の四大系統「火」「水」「土」「風」「虚無」、五つの系統がある訳ですが、その中で「土」は万物の組成を司る重要な系統なのです」 今日の授業は赤土のシュヴルーズ教師の錬金の授業である。 なお、使い魔であるメイジは先ほどふらりと教室に入り、今は授業を聞きながら一心不乱にメモを取っている。 (メイジなのに、こんな初歩的な授業を受けて楽しいのかしら?) 「オホンッ!ミス・ヴァリエール!」 「は、はい!」 余所見をしている生徒を当てるのは、どの世界でも共通である。 「では、土の基本魔法を説明してください」 「え、あ、はい…… 『土』の系統の基本魔法は『錬金』です。 金属を作り出したり建物を建てる石を切り出したり、農作物を収穫するなどの生活により関係した魔法が『土』です」 「よろしい、ミス・ヴァリエール、よく出来ました。……では次に、実際に錬金を行ってみます」 そう言うとシュヴルーズは錬金の実技を披露してみせた。 シュヴルーズが呪文を唱えると、教壇の上に置かれた石が輝き、金属へと姿を変えたのだった。 これを見たウルザが「ほお…」と呟くのをルイズは聞いた。 「先生!ゴールドですか!?」キュルケが聞くと 「いいえ、真鍮です。」と応えるシュヴルーズ。 「さて、次は誰かに錬金をやってもらいましょうか……ミス・ヴァリエール!」 「え、はい!」 また自分かという考えを払って姿勢を正す。 「貴女は……随分と変わった使い魔を召喚したそうですね。 どうでしょう?その使い魔の方に錬金の実演をして頂けませんか?」 教室中の生徒がルイズとその使い魔に注目する。 あ、ちょっとこの感じいいかも、とほんの少しだけ抱いたが、それを出さずに、ウルザに声をかける。 「ミスタ・ウルザ、先生の仰るとおりに」 「……分かりました、ミス・ルイズ」 ルイズはウルザが軽くため息をついたのを感じた。 (別に錬金くらい初歩の術じゃない、減るもんじゃないし…そりゃ、私は使えないけど…) ウルザが教壇に立つ。 (さて、このように生徒に囲まれ教壇に立つなど久しいことだ…) さて、目の前には先ほど錬金された石と同じくらいの大きさの石が置かれている。 確かに、ウルザは数々の世界を渡り歩いた魔法使いであるが、初めて接した魔法系統を直ぐに使いこなすような超人ではない。 よって、ハルケギニアの系統魔法を使えるわけが無い。 しかし、今メイジという立場をこの世界で失うのは得策ではない。 ウルザが何事か呟き、呪文が完成して、石が輝く。 そして、石はシュヴルーズ教師が錬金したのと同様に、真鍮へと姿を変えてきた。 「おおおおおお!!」「凄い!」「ルイズの使い魔はスクエアメイジか!」 教室中が喧騒に包まれる。 「こんなものでよろしいかな?」 「ええ、結構です、ええと…ミスタ・ウルザ」 ただ一人、首を捻っていたのはモンモランシーである。 「あ、あれ?今、水の系統魔法を使って、なかっ…た、…わよね。私の勘違いね、きっと」 「さて、次はミス・ヴァリエール。あなたがやって御覧なさい」 「先生!」 キュルケが声を上げる。 「ルイズは危ないです!ゼロのルイズですよ!?」 それを聞いたシュヴルーズが応える。 「ミス・ツェルプストー、貴女は彼女をまだゼロのルイズと呼ぶのですか?彼女の使い魔であるミスタ・ウルザが錬金を成功させたのを見たでしょう。 使い魔が出来て、主人が出来ないなんてことがありますか」 それを聞いてルイズが立ち上がる。 「私、やります!」 ルイズが教壇に立つ、前には先ほどと同様の石が置かれている。 「ふむ、これは興味深い」 ルイズはウルザの魔法が見たいと思っていたが、それはウルザとて同じことである。 プレインズウォーカーである自分を強引に召喚するほどの腕前である、そしてその手による知らぬ魔法体系の呪文、狂人ならずとも魔法使いなら心引かれる演目である。 ルイズが呪文の詠唱を始める。 同時に、一斉に机の下に避難を始める生徒達。 意味を理解出来ないまでも、何処かで見たような既視感を覚える。 ルイズの呪文が完成する。 爆発 なんの防御もしていなかったウルザは爆発に巻き込まれたのだった。 危険に対して敏感なのは、いつだって生徒だ。 ――ウルザ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
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マジシャン ザ ルイズ 進む 春の使い魔召喚の日、ルイズは召喚に成功した。 そして、それは前代未聞の使い魔の召喚であった。 ルイズが呼び出したそれは、杖を持ちローブを着たメイジらしき色眼鏡をつけ髭を生やした初老の男であった。 周囲を取り囲む学生達も唖然とする、勿論ルイズも。 「あ、あ、あああんた、誰よ」 人間を使い魔として呼び出すなんて、聞いたことが無い。 問われた男は、周囲を睥睨し呟いた。 「………ウルザ」 ウルザはプレインズウォーカーと呼ばれる多次元宇宙を渡る力を得た魔法使いである。 彼はドミナリアと呼ばれる世界に生を受け、彼の弟であるミシュラとの争い―兄弟戦争―の末に大陸一つを吹き飛ばしたことがきっかけとなりプレインズウォーカーとしての力に目覚めた。 それ以後、彼は弟を誑かした機械生命体が支配する暗黒の次元ファイレクシアに復讐を誓う。 そして、数百年にわたる準備の末、他の八人のプレインズウォーカー達と「ナインタイタンズ」を結成し、ファイレクシアの中枢へ攻撃を開始。 戦い、暴走、裏切り。 ナインタイタンズの仲間が次々と無念の内に帰らぬ人となり、ウルザ自身も囚われの身となってしまう。 ―そして、終幕の場面。 ウルザは彼と同様に捕まり、操られてしまった自分の子孫であり同志でもあるジェラードとファイレクシアの闘技場で対峙することとなる。 目前にはファイレクシアの王、宿敵ヨーグモスの姿。 ジェラードを倒しヨーグモスを葬ろうとするウルザ。 しかし、その願いは適わずジェラード首を落とされ彼は長い生涯を閉じたのであった。 (ここは…どこだ? ファイレクシアの闘技場では無いようだが…ドミナリアでもないようだな) 「あ、あ、あああんた、誰よ」 自分を召喚したらしい、桃色の髪の娘が問いかけてきている。 周囲を見回す。 どうやらここは教育施設か何かのようで、周りにいるのは10代の子供達ばかりである。 全員が同じような服装をしていることからも、この推測は的外れでは無さそうである。 例外として一人だけ禿げ上がった成人男性がいるが、これは教師だろうか。 正面に視線を戻し、桃色の娘を注視する。 「………っ!」 ぶるっと震える桃色。 どうやら召喚を行ったらしい娘といい、周囲の生徒といい、マジックユーザーであることは間違い無いようである。 その証拠にマナの流れが感じられる。 それならば、事情を話し協力してもらうことも可能であろうと思い至った。 「………ウルザ」 マジシャン ザ ルイズ (1)ワールド・シフト 「ミ、ミスタ・コルベール!やり直しを!やり直しをさせてください! 何かあの人!…ええと、ミスタ・ウルザ、怖いです!」 色眼鏡で直接に目を見たわけではないが、ウルザに見られた瞬間思ったのだ、「こいつはヤバイ」と。 「こらこら、初対面の人をいきなり『怖い』とは何ですか。 それに召喚のやり直しは無理です、契約をしない限り、進級できませんよミス・ヴァリエール」 そこで、これまで沈黙を続けてきたウルザを口を開く。 「ミスタ・コルベール、この世界は、なんと言うのでしたかな?」 「は?世界?それは一体どういう…」 「召喚の影響で記憶が混乱しているのです、教えていただけませんかな?」 「ああ、そういうことでしたか。 確かにメイジを使い魔として呼び出すというのは前例がありません、そういうこともあるでしょう。 この世界の名前はハルケギニアです。加えてここはトリステイン魔法学院です。」 「ハルケギニア…トリステイン…………聞いたことが無いな………」 それだけ聞くと、ウルザはぶつぶつと独り言を始めてしまった。 「ほら!ミスタ・コルベール!怖いですよ!何かぶつぶつ喋ってるし!あれ絶対マイワールドに引きこもる人種ですよ!」 「だからミス・ヴァリエール、やり直しは認められないと…」 「しかし!」 「ミス・ヴァリエール」 不毛な押し問答が正に開始されようと言うところで、案外早く思考の世界から帰ってきたウルザが声をかけた。 「おおよその状況は把握した。 私と『契約』しなければ、君は留年になってしまう。そして私は記憶が曖昧で右も左も分からない。 利害は一致している。 ここは契約をしてしまうのが丸く収める方法ではないかね?」 「けけけけ、け契約って、そんな!使い魔の契約なのですよ!ミスタ・ウルザ」 「…ふむ、使い魔か、長いこと生きているがそんな経験は初めてだが、中々に興味深い。 少なくとも私を使い魔にすればフェイジングをする以上の働きをしてみせよう」 「で、でも………」 話はメイジと使い魔として契約を結ぶという流れになってきたことで周囲の生徒達が騒ぎ始める。 「メイジがメイジを使い魔に!聞いたことが無い!」「しかもあんな凄そうなのを!」「でもおじさんでしょ?四六時中おじさんと一緒は…」 「つか、あの歳の差でキスは犯罪じゃね?」 ビビクッ! 真っ白に思考停止していたルイズであったが、生徒の一人が発した台詞で我に返った。 (そ、そうよ…わ、私のファーストキスの相手が、あんな、あんなお爺ちゃん…!) 「どうしたのかね。契約をしたまえ、ミス・ヴァリエール」 「早く契約を済ませたまえ、ミス・ヴァリエール」 周囲の生徒達も口々に「契約」と騒ぎ始める。 『契約』…『契約』…『契約』…『契約』…『契約』 ルイズの周囲を『契約』という言葉が渦巻き始める。 それらと場の空気がルイズの乙女心を侵食し始める。 (で、でもでも、メイジと契約しちゃうなんて前代未聞じゃない! もしかしたら歴史に残っちゃうかもしれないし、それにこの人、なんか凄そうな雰囲気だし、もしかしたらトライアングル…いえ!スクエアクラスのメイジかもしれないじゃない! そんなメイジを召喚しちゃう私ってば、もしかしたらスクエアを超える、それこそ虚無の魔法使いとかになっちゃうんじゃないの!? そうなったらクラスの皆に笑われて、ゼロのルイズなんて呼ばれなくて済むわ! わ、わ、私を馬鹿にしてた連中なんてそうなったら、……うふ、うふっ、ふふふふふふふふふふ) 「じゃ、じゃあちょっと屈んで頂けるかしらミスタ・ウルザ」 思考のループに嵌ってしまい口元が緩んでいるルイズであった。 「こうかね?」 「そ、それで大丈夫です」 乙女なルイズが心の何処かで静止しているのを感じるが、暴走した思考は止まらない。 ルイズは呪文詠唱を開始した。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」 こうして彼女は4200歳ほど年上の男と口付けを交わし、使い魔の契約を交わしたのであった。 何事にも不測の事態は起こり得る。起こったならば予測の事態だったことにすればいい。 ――ウルザ マジシャン ザ ルイズ 進む